プルースト

再読のできる本を発見するよろこび

私の好きな『モンテ・クリスト伯』を翻訳した山内義雄の「二十余年折にふれ坐右はなれぬ書物の一つ」*1として挙げられるマルセル・プルーストの『楽しみと日々』は、1896年にプルーストが初めて世に出した作品集である。二十代前半に書かれた短編小説、散文…

【味読】『失われた時を求めて8:ソドムとゴモラI』(プルースト著/吉川一義訳)

実験ー味読の可視化 5月初旬から1ヶ月かけて、『失われた時を求めて8:ソドムとゴモラI』(以下、本書)を読み終えた。この本を少しでもものにしたくて、本巻から、好きな頁はその端を折っていくことにした。すべて読み終わった後、それらを読み返してみる…

【書評】『プルーストを読むー『失われた時を求めて』の世界』(鈴木道彦著)

『プルーストを読むー『失われた時を求めて』の世界』 shinsho.shueisha.co.jp 3月末から4月末にかけて、2002年に集英社新書から刊行された鈴木道彦先生のプルースト関連本を読んだ。約1ヶ月間、本書を読みつつ、いくつか考えることがあったので、読みどころ…

【感想】高遠弘美先生連続講座「『失われた時を求めて』で挫折しないために」第3回(最終回)

親しみをもって語りかけてくださった先生 一般財団法人出版文化産業振興財団(JPIC)がオンライン上で開催する高遠弘美先生の連続講座「『失われた時を求めて』で挫折しないために」第3回(最終回)を受講したので、感想を綴る。 jpic-online.shop 最終回と…

【感想】高遠弘美先生連続講座「『失われた時を求めて』で挫折しないために」第2回

やさしさを含んだいくつかの問題提起 一般財団法人出版文化産業振興財団(JPIC)がオンライン上で開催する高遠弘美先生の連続講座「『失われた時を求めて』で挫折しないために」第2回を受講したので、感想を綴る。 jpic-online.shop 第2回講座のタイトルは…

【書評】『プルーストへの扉』(ファニー・ピション著/高遠弘美訳)

『プルーストへの扉』(ファニー・ピション著/高遠弘美訳) www.hakusuisha.co.jp プルースト生誕150年記念のひとつとして今年1月22日に上梓された『プルーストへの扉』(ファニー・ピション著/高遠弘美訳)を読んだので、読みどころと感想を綴る。 …

【感想】高遠弘美先生連続講座「『失われた時を求めて』で挫折しないために」第1回

贅沢な100分間 昨夜は、興奮してなかなか寝つけなかった。 そして、目覚めてからも、なにやら熱っぽい。 娘を寝かしつけた後の21時頃から、一般財団法人出版文化産業振興財団(JPIC)がオンライン上で開催する高遠弘美先生の連続講座「『失われた時を求…